日本語小話

3分で読める日本語雑学

愚公山を移す――おじいちゃん、山を動かす

愚公山を移す

 

 

はじめに

 

ご機嫌よう!
漢検漢字教育サポーターで塾講師の有でございます。

 

最近、藤森さんのYouTubeチャンネルにはまっています。
やっぱりオリエンタルラジオさんはおもしろいです。

 

オリエンタルラジオさんといえば、
有名なネタがありますよね。
ちょっと引用します。

 

「バス停毎日3ミリずらす!」
「すごい!2年を費やし自宅の前へ!」

 

なにかの番組で初めてこれを聞いたとき、
ものすごく笑った記憶があります。
今思い出しても笑っちゃいます。

 

今はそれぞれ違った方面でご活躍されていますが、
またオリエンタルラジオのお二人ネタが見たいものです。

 

そういえば昔の中国にも、
先ほどのオリラジさんのネタのように
毎日ちょっとずつ大きなものを動かした人がいました。

 

バス停もたいがい大きいですが、そこは中国。
スケールが全く違います。
なんと、動かしたのは「山」なのです!
それも、二つ。
さすが中国。

 

ということで、
今日は山を動かしたおじいちゃんのお話をご紹介しようと思います。

愚公山を移す

昔々。
中国の黄河の近くに、
愚公(ぐこう)というおじいちゃんが住んでいました。
ちなみに愚公おじいちゃんはもうすぐ90歳になります。

おじいちゃんのお家は、二つの高い山のふもとです。
どこに行くにも山が邪魔で、
いつも山をよけるために遠回りして出かけていました。

あるとき、おじいちゃんは一族を集めて言いました。

 

「私はお前たちと一緒に、
山を削って平らにして、まっすぐな道をつけようと思う」

 

おじいちゃん一族は、山を崩しはじめました。
何年も何年も、ひたすら土を運び続けました。

 

これをみたある人は、
おじいちゃんをあざ笑って言いました。

 

「草の一本も抜けないようなあなたみたいなお年寄りに、
山をどうこうできるわけがないだろう」

 

おじいちゃんはため息をつきました。

 

「あんたは頭が固い。
私が死んだら私の子が、
その次は孫が、そして孫の次はその子どもがいる。
山は確かに大きいが、これ以上大きくなることはない。
私の代では無理でも、
私の子孫がきっとやり遂げてくれるさ」

 

おじいちゃんを笑ったその人は、
返す言葉もありませんでした。

 

これを聞いた山の神様は、
おじいちゃんの根性に恐れをなして天の神様に報告しました。

 

「その意気や良し!」

 

おじいちゃんの姿に感心した天の神様は、
力持ちの二柱の神様に二つの山を背負わせて、
それぞれを別の所へと運ばせました。

そしておじいちゃんの住んでいたところは平らな土地になったのでした。


めでたしめでたし。

 

おわりに

 

このエピソードから、「愚公山を移す」という言葉が生まれました。
「どんなことも根気よく努力するし続ければ、必ず最後には成功する」
といった意味で使われます。
愚公移山」とも言います。

 

自分も愚公おじいちゃんのように根気よく続けようと決意を新たにした、
開始7日目のブロガー・有でした。

 

ということで、
本日は「愚公山を移す」という言葉をご紹介しました。
読んでくださりありがとうございます。

それでは今日はこの辺で。

ご機嫌よう!