日本語小話

3分で読める日本語雑学

あかあかとーー煉獄杏寿郎という人

あかあかと

 

 

はじめに

 

ご機嫌よう!
漢検漢字教育サポーターで塾講師の有でございます。

さあ!
今日はとうとう『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の放送日ですね。
煉獄さんの雄姿を、私も再び見届けたいと思います。

ところで。
煉獄さんのことを考えると、
いつも頭に思い浮かぶ短歌があります。

今日はその短歌について書きます。

※少しだけ映画と漫画のネタバレがございますので、
未視聴の方はお気をつけください。

 

あかあかと

 

あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり(斎藤茂吉

(夕日が赤々と明るく照らす一本の道が続いている。

これが私の命なのだなあ)

 

「あかあかと一本の道とほりたり」が、
実際に見た風景のスケッチ。
「たまきはる我が命なりけり」が、
茂吉自身の心の内を詠んだ言葉です。
実際の風景に、
自分の想いを重ねて歌を詠んでいるわけです。

「我が命」は解釈が分かれるかもしれません。
私は、「命」を「宿命」ととりたいと思います。
そうすると、
「私が行くべき道」「私の命の使いどころ」くらいの訳に
なります。

※「たまきはる」は「魂(たま)きはる」で、
「命」にかかる枕詞です。
とくに訳には出てきません。

目の前には、私の行くべき道がある。
あかあかと燃えるようなその道を行くことに、
私は命を燃やしたい。

この歌を、
私はこのように解釈しました。

鬼殺隊に入り柱となって人々を救うという、
生まれた時から決まっていた一本の道を、
全力で駆け抜けた煉獄さん。
「心を燃やせ」の言葉と相まって、
煉獄さんの姿とこの歌が重なるように私には感じられます。

 

おわりに

 

以上、
主観に走り過ぎましたが、
斎藤茂吉の短歌をご紹介しました。

読んでくださりありがとうございます。
それでは今日はこの辺で。
ご機嫌よう!

 


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