「をかし」き「争ひ」ーー月か、露か
はじめに
ご機嫌よう!
漢検漢字教育サポーターで塾講師の有でございます。
さて、
ケンカが話題になっていますね。
子ども同士ももちろんですが、
大人同士のケンカも見ているだけで
心臓が縮み上がるような思いです。
そんなケンカですが、
鎌倉時代のエッセイストのお坊さん・兼好(けんこう)法師は、
とあるもめ事をきいて「をかし(=おもしろい!)」と書いています。
今回はこのもめ事についてご紹介します。
月か露(つゆ)か
ある人の、
「月ばかり面白(おもしろ)きものはあらじ」
と言ひしに、
またひとり、
「露こそなほあはれなれ」と争ひしこそ、
をかしけれ。
折にふれば、
何かはあはれならざらん。
(ある人が、
「月ほど心がひかれるものはないだろう」
といったところ、
もう一人の人が
「露(つゆ)の方がもっといいよ!」
と言ってケンカになったのが、
おもしろい。
タイミングさえあえば、
どんなものだって心に刺さるのだ)
『徒然草』の第21段の一節を引用しました。
なかなか風流なケンカですね。
そしてそのケンカからこの結論にいたる
兼好の考え方もおもしろいです。
兼好(けんこう)は続きの文章で、
「自然はいつだって素晴らしい」、
「人里から離れたきれいな川のほとりをお散歩するほど、
心がなぐさめられることはないだろう」
と書いています。
兼好(けんこう)式のレジリエンスの高め方は、
自然と触れ合うことのようです。
これは現代人にとっても有効なのではないでしょうか。
ヒュッゲでもマインドフルネスでも、
自然を感じることがポイントのようですよ。
ストレスを感じたときは、
自然のある公園などをお散歩してみては
いかがでしょうか?
おわりに
以上、
兼好が「をかし」と書いたもめ事をご紹介しました。
読んでくださりありがとうございます。
それでは今日はこの辺で。
ご機嫌よう!