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巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)ーーうわべだけのヤツにだまされるな!

巧言令色鮮し仁



 

はじめに

 

ご機嫌よう!
漢検漢字教育サポーターで塾講師の有でございます。

「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」
この言葉が話題になっていますね。
ということで、
今回はこの言葉をご紹介します。

 

巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)

 

子(し)曰(いわ)く、
巧言(こうげん)令色(れいしょく)、鮮(すくな)し仁(じん)


 中国の思想書論語」の一節です。
論語」は中国の思想家である孔子の言葉を弟子たちがまとめたものです。
日本でも昔から大人気の本です。
近ごろ話題の渋沢栄一も熱心な読者で、
論語と算盤(そろばん)』という本を書いています。

さて、さっそくこの言葉の意味を見ていきましょう。

巧言というのは、口先だけでうまく言うこと。

令色というのは、人に気に入られるように、
うわべだけ愛想よくしたりして取りつくろうことです。

鮮しは、そのまま「少なし」。

仁というのは、簡単にいうと他人への思いやりです。
この「仁」が人間にとって最も大切なものであると、
孔子は繰り返し弟子たちに説いています。
このフレーズもそのなかの一つです。

以上のことを踏まえて引用したフレーズを解釈すると、
「言葉が上手で、周りに愛想をふりまいてばかりいるような人には、
思いやりの心が欠けている(=誠実な人が少ない)」
というような意味になります。

なかなか真理をついた言葉ではないでしょうか。

 

剛毅木訥仁に近し(ごうきぼくとつじんにちかし)

 

それでは、どういった人が「仁」を備えているのでしょうか。
この問いに対して、孔子は弟子の一人に次のように語りました。

 

剛毅(ごうき)木訥(ぼくとつ)、仁に近し

 

意思が強く、飾り気のない人は「仁」ではないけれども、
それに近いものを持っている。
つまり、高倉健さんのような人が仁に近いと孔子は言っているのです。


おわりに

 

ということで、
本日は「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」の意味をご紹介しました。
読んでくださりありがとうございます。
それでは今日はこの辺で。
ご機嫌よう!