日本語小話

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一葉(いちよう)落ちて――葉っぱが落ちたら何を知る?

一葉落ちて

 

はじめに

 

ご機嫌よう!
漢検漢字教育サポーターで塾講師の有でございます。

 

道を歩いていたら、
黄色くなりかけた銀杏の葉がハラリと一枚落ちてきました。
着実に秋が深まろうとしていますね。

落ちてくる葉っぱを見て、
秋が来たことを知る。
ちょうどそういった言葉がありますので、
本日はそれをご紹介しようと思います。

 

一葉(いちよう)落(お)ちて天下(てんか)の秋(あき)を知(し)る

 

淮南子(えなんじ)」という中国の思想書に、
次の言葉があります。

 

「一葉の落つるを見て、
歳の将(まさ)に暮れんとするを知る」
(一枚の葉が散るのを見て、
一年が終わろうとしているのを知る)

 

ささいな予兆から、
世の中の行く末が分かるということの例の一つとして、
この言葉が出てきます。

これがもとになって、
「一葉(いちよう)落(お)ちて天下(てんか)の秋(あき)を知(し)る」
という言葉ができました。

他の木々より早く葉が落ちる桐の葉(豊臣秀吉内閣総理大臣が使用しているマークに使われている葉っぱです)が一枚落ちたのを見て、
秋が来たことを知るということです。
そこから、
身近なちょっとした前兆を見て、
将来の世の中の成り行きを知るという意味で使われています。
現代では特に、
あまり良くない将来について使われることが多いようです。

この言葉は、
一葉知秋(いちようちしゅう)、
梧桐知秋(ごとうちしゅう)、
葉楽知秋(ようらくちしゅう)
といった四字熟語にもなっています。

また、
「桐一葉(きりひとは)」、
「一葉落ちて天下の秋」と言ったりもします。

 

おわりに

 

以上、
「一葉(いちよう)落(お)ちて天下(てんか)の秋(あき)を知(し)る」
という言葉ををご紹介しました。

 

読んでくださりありがとうございます。
それでは今日はこの辺で。
ご機嫌よう!